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退院の日

《自分の顔は・・・》


私は仕事柄,毎日たくさんの子どもの顔を見ています。
顔をじっと見ると,子どものその日の状態がだいたい分かります。

学級担任の時は,毎朝「朝の会」で健康観察をします。
30人ほどの児童の名前を呼ぶとき,自分が決めていたことが2つありました。

必ず,フルネームで呼ぶこと
5秒間,その子と目を合わせること

5×30=150

多くの時間をかけられない150秒の健康観察ですが,いつもと違う表情の子は分かります。
その日の朝気にかかった子は,どこかの時間でさりげなく声をかけるようにしていました。
だいたい,7割位,勘は当たります。
友達のこと・・・家族のこと・・・勉強のこと・・・
何か気にかかることがあると,必ず顔の表情や体のしぐさに出てしまうものです。


退院の日

1階のロビーで支払いを済まし,ぼんやりと病室に向かっていました。
廊下の曲がり角で私を待っている人がいます。
主治医のK先生でした。

「大変お世話になりました。」
とお礼を言いましたが,K先生が何を話されたのか全く覚えていません。
いつもと違うK先生の表情だけが強く印象に残ってしまったからです。


てきぱき説明されるいつもの先生ではなく,
とても穏やかな,優しい,慈愛に満ちた表情でした。
また,先生の顔がどこか悲しそうに感じました。


いったい私はどんな顔で廊下を歩いていたのでしょう?
私の姿が悲しく映ったのでしょうか?
「手術は治療の始まり」を一番知っている先生だからでしょうか?


一番知っているはずの自分の顔は,一番みえない所にあります。



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北村薫の本

入院時に北村薫さんの本を3冊持っていきました。
『時と人』シリーズの
「スキップ」「ターン」「リセット」です。

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10年ほど前に読んで,大好きな本なので,この機会に,
もう一度読み直そうと思っていました。

長女も北村薫のファンで,二人でほとんどの作品を読んでいます。
娘は,覆面作家シリーズが好きなのですが,私はこの『時と人』の3部作が好きです。

北村薫の作品に登場する凛とした女性には憧れます。
どの作品も読み終わると,さわやかな風に包まれた感覚になります。

「スキップ」の主人公17歳の一ノ瀬真理子は,
突然,25年後の42歳の自分にタイムスリップしてしまいます。
夫と17歳の娘がいる高校の国語教師「桜木真理子」になっていました。
突然起きた事態に戸惑い・悩みながらも,25年後の『私』を生きていく話です。



どんなに願っても,過去にいくら憧れても,過去に戻ることは出来ません。
今をどう生きるのか・・・

物語の最後の文がいつまでも響きます・・・

『昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが,わたしには今がある。』


10日間の入院で,3冊を読破しました。

私も・・・今を生きなければ・・・


ドレーン抜ける!

22日(月)に抜糸は済んだものの,ドレーンから液は溜まり続けています。


「退院は,ドレーンが抜けるまで仕方ないね・・」
「木曜日か金曜日かな・・・」

同じ頃入院した人は,どんどん去っていくのに,
なかなか退院できそうにありません。

24日(水)ようやく,液の量が減ってきました。

3時過ぎのK先生の回診で
「抜きましょうね!」
と,簡単に処置してくださいました。


夕方5時です・・・
今度は,若いA先生と可愛い研修医のMさんが
たくさん道具を抱えて,意気揚々と回診です。


研修医さんは,入院の時から毎日顔を見に来てくれます。
「さあ・・・ようやくドレーンが抜けますよ!」
「よかったですね。」
と準備を始めます。


あ・・・
もう私の体には,ドレーンの管はささってないのに・・・
K先生が来られて,抜いてしまったことを話すと,

「そうなんだぁ・・・・・・・」

肩をおとして引き上げていかれました。

何だか申し訳ないような




リハビリ開始

2010年2月23日

術後5日目です。
本当なら,退院できているはずの日ですが,まだドレーンの管と袋を提げています。


今日からリンパマッサージの講習です。
1階のリハビリ室に向かいました。
理学療法士のT先生から,リンパ浮腫予防のための説明を受けました。

日にあたってはいけません
重いものをもってはいけません
傷を受けてはいけません・・・・・

やってはいけない事がたくさんあります。

教師の仕事って・・・・
直射日光にさらされて,畑仕事からプール掃除,テント張り・・・
教室の引越し,体育館のイス並べ・・・

想像しただけで,憂うつになります。
私専用の助手を雇わなければなりません。

「そんなの無理ですよ・・・!」
と,思わず愚痴をこぼしてしまいました。

3回リハビリ室に通いましたが,私のわがままを笑って聞いてくださいました。

若い先生をかまってしまいました。ごめんなさい。

胃が痛い

19日には,点滴・尿管がはずれ,体を動かせるようになりました。

20日には,洗面台のシャワーでシャンプーも出来,気分もすっきりです。
食事もおかゆから普通食になりました。

21日には,下半身のシャワーの許可も出ました。

ドレーンからの液がたまり続けているのは気にかかりますが,それ以外は順調です。

しかし・・・
22日の朝から,何だか胃が変です。
早く元気になりたい・・・と病院の食事は残さず全部食べていましたが・・・
無理があったのかもしれません。

朝,看護士さんに胃薬を処方してもらうようお願いをしました。

こんな時,自宅ではすぐに胃薬を飲めるのですが,病院では,なかなかです。

総合病院のシステムの大変さでしょうか・・・?
病棟の看護士さん→主治医の先生→薬剤師→薬局→病棟→患者・・・・

というルート(あくまで私の想像ですが・・・)で回ってくるのか,
胃薬が届いたのは,夕食の後でした。

それから3日・・・胃炎で苦しみました。

これまでのストレスが,胃に集中してしまいました。

若い外科医のA先生には
「傷の痛みではなくて,胃炎に苦しむ患者さんなんて初めてですよ!」
と,笑われてしまいました。

外科医としては,納得がいかない症状だったのでしょう。


 

Appendix

プロフィール

みゅーじっくT

Author:みゅーじっくT
小学校の音楽教師です。

ちょっとメタボのターリンと二人の娘,愛犬?の4人と1匹の家族です。

2010年2月に『浸潤性乳管癌』と診断され,左乳房温存手術と腋窩リンパ節郭清を行いました。

日々の思いを綴っています。

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